マレーシアで1.5GWの太陽光×蓄電プロジェクト始動、データセンター向け再エネ供給を強化

8月25日、マレーシアの国営エネルギー会社ペトロナス系の再生可能エネルギー企業ジェンタリとインフラ大手ガムダは、総容量1.5GWの太陽光発電と蓄電池(BESS)による複合プロジェクトを共同開発すると発表した。これは国家の「Corporate Renewable Energy Supply Scheme(CRESS)」制度に基づくもので、今後急増が見込まれるハイパースケール・データセンター(DC)事業者の電力需要に対応するものだ。

本提携は、ジェンタリの再エネ開発能力とガムダの大規模インフラ建設の実績を組み合わせることで、持続可能な電力供給体制の構築を目指す。クラウドコンピューティングやAIなどの基盤となるDCは、2035年までに5GW以上の安定電力を必要とすると予測されており、再エネ拡大は国家経済のデジタル化を支える鍵となる。

ジェンタリのロー・キアン・ミン再エネ担当役員は、「再エネの拡大は、成長するデジタル経済を支えるだけでなく、マレーシアのネットゼロ目標にも貢献する」と述べた。同社は現在、全世界で8GW超の再エネ容量(稼働中・建設中)を保有している。

ガムダ・エナジーのジョシュア・コン・シン・ホーも「クリーンエネルギーの供給力は外資誘致の決定要因になる」と強調し、今回の事業がデータセンター事業者向けの持続可能でスケーラブルな電力調達モデルとして今後の標準になるとの見方を示した。再エネとデジタル経済の融合を支える官民連携モデルとして、注目を集めている。

(原文)Gentari and Gamuda Collaborate on 1.5 GW Solar Energy Project to Power Strategic Hyperscale Data Centres
(日本語参考訳)ジェンタリとガムダ、戦略的ハイパースケールデータセンターに電力を供給する1.5GWの太陽光発電プロジェクトで提携

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