EU理事会、ETS2の市場安定化措置を強化 排出枠放出量を最大4,000万トンに倍増、2028年開始に備え

10月9日、EU理事会は、建物・道路輸送などを対象とするEU排出量取引制度(ETS2)の市場安定化リザーブ(MSR)に関する規則改正を正式に採択したと発表した。2028年に予定されるETS2の本格開始に向け、排出枠市場の流動性向上と価格変動の抑制を図る。
MSRは、市場に流通する排出枠の数量を自動調整し、需給の均衡を維持する仕組みである。今回の改正では、2030年以降もMSRを継続するとともに、炭素価格がCO2換算1トン当たり45ユーロ(2020年価格)を超えた場合の排出枠放出量を、従来の2,000万トン相当から4,000万トン相当に倍増する。
また、市場流通量が2億6,000万トン相当を下回った際、排出枠を段階的に放出する仕組みを導入し、急激な供給変動を抑える。
ETS2は、建物、道路輸送、小規模産業などを対象とし、燃料供給事業者に排出量の監視・報告と排出枠の償却を義務付ける。2030年までに対象部門の温室効果ガス排出量を2005年比42%削減することを目指す。
改正決定はEU官報への掲載後20日目に発効し、2028年のETS2開始に合わせて全面的に運用される予定である。
参考:ETS2: Council signs off on rules strengthening the market stability reserve
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