米SEC、Climate Action 100+参加をめぐる調査で執行措置見送り 資産運用会社に株式保有開示義務を注意喚起

10月7日、米証券取引委員会(Securities and Exchange Commission:SEC)は、気候変動関連の投資家イニシアチブ「Climate Action 100+」の参加者による協調行動について、調査報告書を公表した。2021年のエクソンモービルの取締役選任をめぐり、証券取引法に違反した可能性を調査した結果、現時点で把握している行為・活動に基づく執行措置は講じないと判断した。一方、参加者の行動に重大な懸念を示し、投資家に対して証券取引法の遵守を促した。

調査の対象となったのは、2021年5月のエクソンモービルの株主総会で、物言う株主(アクティビスト)のEngine No. 1が提案した取締役候補の選任をめぐる投資家の行動である。SECは、ブラックロックやステート・ストリートなどがClimate Action 100+を通じて議決権行使を協調させていたかを検証した。

調査では、両社がClimate Action 100+を支援する非営利投資家ネットワーク「Ceres」とエクソンモービルに関する情報交換を行っていたことなどが確認された。一方、両社が特定の議決権行使に合意したことや、他の投資家と議決権行使の意向を共有したことを示す証拠は得られなかった。なお、調査対象となったバンガードは同イニシアチブに参加していなかった。

SECは、投資家が企業の経営権に影響を及ぼす目的で協調して行動した場合、証券取引法第13条に基づく「グループ」とみなされる可能性があると指摘した。グループの保有株式を合算して5%を超える場合には、株式保有に関する報告義務が生じ得る。また、取締役選任などを通じて企業の経営権に影響を及ぼすことを目的とする組織への参加は、簡易な株式保有報告書「Schedule 13G」の提出資格を失う要因となる可能性があるとした。

SECは、今回の報告書が法令違反を認定するものではないと明記したうえで、同様の投資家組織を通じて協調的なエンゲージメントを行う場合にも、株式保有の開示義務への対応に留意するよう求めている。

参考:SECURITIES AND EXCHANGE COMMISSION SECURITIES EXCHANGE ACT OF 1934 Release No. 106611


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