M&S、ファッション供給網の再エネ転換を加速 新プログラム「RE:Spark」を始動

11月19日、英国小売大手マークス&スペンサー(M&S)は、シュナイダーエレクトリックと共同開発したサプライチェーン脱炭素化プログラム「RE:Spark」を発表した。RE:Sparkは、M&Sのグローバルなファッション供給網における再生可能電力の導入を加速する取り組みであり、同社のサステナビリティ戦略「Plan A」が掲げる2040年までのバリューチェーン全体でのネットゼロ達成に向けた重要施策である。

RE:Sparkは、自社の枠を超えて供給網全体の排出削減を促す仕組みとして設計され、以下の要素で構成される。

  • 排出量データ提出・進捗管理のためのデジタルハブの開設
  • 地域別ブリーフィングやウェビナーの開催
  • クリーンエネルギー導入に関するアドバイザリー支援
  • 電力購入契約(PPA)の共同調達を可能にする仕組みの提供

M&Sのファッション・ホーム・ビューティ部門でサステナビリティと素材を統括するキャサリン・ビーチャム氏は、「サステナビリティは事業全体に組み込まれるべきものであり、真の変革は協働によって生まれる」と述べ、RE:Sparkが供給企業の再エネ移行を後押しするプラットフォームになると強調した。

シュナイダーエレクトリックのスティーブ・ウィルハイト氏も、「RE:Sparkはグローバル供給網にスケール可能な影響をもたらす協働モデルだ」と評価している。

プログラムはまずM&Sのファッション供給網における高インパクト地域を対象に始動し、今後3年間で順次拡大する予定である。RE:Sparkは、Tier 1およびTier 2工場でのHigg FEMの導入拡大、アパレル・インパクト・インスティテュートのCarbon Leadership Programmeへの参加支援など、M&Sが進めてきた環境改善施策を土台としている。

さらに、M&Sは循環型プラットフォーム「Another Life」を通じ、再着(Rewear)・修理(Repair)・回収(Recycle)・再販(Resale)の各取り組みを統合し、eBayやReskinnedとの協働によるオンライン下取りや中古販売も進めている。

これら一連の取り組みは、M&Sが掲げる「サステナブルで収益性の高い成長」および2040年ネットゼロ企業への道筋を支える中核施策となる。

(原文)M&S Launches RE:Spark To Ignite Renewable Electricity Adoption Across Its Fashion Supply Chain
(日本語参考訳)M&S、ファッションサプライチェーン全体で再生可能電力の導入を促進するRE:Sparkを立ち上げ

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