GHGプロトコル、Scope2算定方法の改訂方針を更新 現行方式の段階的移行を検討

10月16日、GHGプロトコルは、温室効果ガス排出量のScope2算定基準について、マーケット基準手法の改訂に向けた最新の検討状況を公表した。2025年10月から2026年1月に実施したパブリックコメント(公開協議)の意見を踏まえ、時間単位の電力消費量との一致などを求める新方式と、現行方式を一定期間併存させ、段階的に移行する方向で議論を進めている。
2025年の改訂案では、再生可能エネルギー証書などの電力属性証書をScope2排出量の算定に使用する際、電力消費と発電を時間単位で一致させる「時間単位のマッチング」と、電力を消費する地域に供給可能な電力網との接続を求める要件が提案されていた。
一方、パブリックコメントでは、算定精度や電力系統の脱炭素化への貢献を重視する意見と、年間単位のマッチングや広域での証書調達を認め、再生可能エネルギー市場への参加機会を維持すべきとの意見に分かれた。
これを受け、GHGプロトコルの独立基準審議会(ISB)は、時間単位のマッチング、電力供給可能地域との整合性、追加性を考慮する「方式1」と、現行ガイダンスに基づく「方式2」を検討。9月の会合では、方式2を期限付きで認め、一定の移行期間を経て、データが利用可能な場合には方式1による報告へ移行する方向性を示した。
ただし、移行期限や各方式の適用要件、報告義務の位置付けは確定していない。10月中に開催予定の技術作業部会で、電力供給可能地域の要件、追加性、実務上の実現可能性、導入時期などをさらに検討する。
また、改訂後のマーケット基準手法の要件を満たさない電力調達活動については、別途検討中の「Actions and Market Instruments(AMI)」の枠組みを通じ、排出削減への影響や調達活動に関する指標として報告する可能性も議論されている。
改訂案は2027年第2四半期に予定する統合公開協議に盛り込み、GHGプロトコルとISOによる共同企業基準は2028年第4四半期の公表を予定している。
参考:Scope 2 Market-based Method Update: From 2025-2026 Public Consultation to Current Status
GHGプロトコル改訂で企業の排出量算定はどう変わるのか
Scope2の算定方法の見直しに加え、GHGプロトコルではISOとの基準統合や、企業の脱炭素化に向けた取り組みを評価・報告する新たな枠組み「AMI」の検討も進んでいる。
再生可能エネルギー証書の活用や電力調達の取り組みは、今後どのように評価されるのか。ESG Journalでは、GHGプロトコルとISOの統合計画、Scope1・2・3の改訂論点、AMIの概要を解説資料にまとめている。
<実務ポイント>
GHGプロトコルの統合コーポレート基準の策定プロセスを踏まえ、AMIに関する議論の現状と主要な論点を整理しています。
従来のスコープ 1〜3だけでは捉えきれない脱炭素努力は今後どう算定・報告するのか、解説中!
統合と「AMI」

