EU理事会、COP31・COP17の交渉方針を承認 EU ETS見直しも討議

10月12日、EU理事会は、国連気候変動会議COP31と国連生物多様性会議COP17に向けたEUの交渉方針を承認した。また、EU排出量取引制度(EU ETS)の見直し案について政策討議を実施した。

COP31は11月9~20日にトルコのアンタルヤで、COP17は10月19~30日にアルメニアのエレバンで開催される。EU理事会が承認した結論文書は、両会議におけるEUの主要な交渉方針を定めるもの。気候変動対策ではパリ協定の実施加速、生物多様性保全では昆明・モントリオール生物多様性枠組みの目標達成に向けた行動の加速を掲げた。

COP31に向けてEUは、科学的知見に基づく緊急かつ野心的な気候変動対策を求める。パリ協定の1.5度目標を超過する可能性を認識しつつ、気温上昇をさらに抑え、1.5度の軌道に戻すことを目指す。各国が提出する国が決定する貢献(NDC)の実施や、未提出のNDCの速やかな提出も求める方針だ。また、化石燃料からの移行とクリーンエネルギーへの転換加速を重視する。

COP17に向けては、2030年までに陸域・海域の少なくとも30%を保全する目標を含む、世界生物多様性枠組みの達成に向けた行動を加速する方針を示した。生物多様性を政策や各分野に横断的に組み込むことに加え、公的・民間資金の拡大や、高い完全性を備えたネイチャークレジットなどの新たな資金調達手法の検討を求める。

EU ETSの見直し案については、2030年以降の年間排出上限の推移、国際炭素クレジットや国内の恒久的な炭素除去の活用、資金調達の仕組み、無償排出枠の配分、カーボンリーケージへの対応などを討議した。航空、海運、廃棄物分野への制度対象拡大についても各国の優先事項が示された。見直し案は、EUの2040年温室効果ガス排出削減目標である90%削減に炭素市場を整合させることを目的としている。今回の討議結果は、EU理事会内で進む今後の検討作業に反映される。

参考:Environment Council, 12 October 2026


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