オーストラリア、気候目標が法制化

オーストラリア、気候目標が法制化

9月8日、オーストラリアの気候変動法案2022が、上院で承認され、法案成立の最終段階を通過し、同国の排出量削減目標が法制化された。

もともと、アンソニー・アルバネーゼ首相率いるオーストラリアの新政権が7月に提出した新法には、2030年までに温室効果ガス(GHG)排出量を2005年比で43%削減し、2050年までにネット・ゼロを達成するという同国の目標が盛り込まれている。

オーストラリアの気候に関する公約の強化・公式化は、2022年5月の選挙に向けた政府の主要な選挙公約の一つであった。スコット・モリソン首相率いる前政権は、2050年のネット・ゼロ目標を導入したものの、目標達成のための法律や税金を活用しないことを選択し、26~28%の排出量削減という2030年の中間目標も引き上げなかった。

サステナビリティを重視する投資家グループはこの法案を支持し、同国の気候変動目標を法律に明記することで、気候変動対策への投資が数十億ドル単位で可能になると強調していた。

新法は、排出削減目標に加え、目標達成に向けた国の進捗状況について気候変動に関する年次報告書を提出することを政府に義務付け、政府から独立した気候変動庁に将来の温室効果ガス排出削減目標について助言する権限を与えた。また、オーストラリア再生可能エネルギー庁、クリーンエネルギー金融公社、オーストラリアインフラストラクチャーなどの政府機関や部局に対して目標をその目的に埋め込むよう要求している。

【参照ページ】
(原文)Australia passes dramatic climate change bill, pledges net zero carbon emissions by 2050
(日本語訳)オーストラリアが劇的な気候変動法案を可決、2050年までに炭素排出をゼロにすることを約束

関連記事

“イベントへのリンク"

おすすめ記事

  1. 2024-4-9

    SBTN(Science-Based Targets for Nature)とは。企業のネイチャーポジティブ経営を実現する目標設定の方法論を解説。

    TNFDのフレームワークが公開され、先進企業ではフレームワークに基づく情報開示が進みつつある(20…
  2. 2024-4-2

    【さくっと読める】TNFDの開示とは。重要ポイントを抽出。

    2023年9月、TNFDのフレームワークが完成し公開された。2023年時点でTNFDに基づく開示を…
  3. 2024-3-26

    【さくっと読める】ESGスコアとは。基本的知識を解説。

    今月から、サスティナビリティ情報開示で関心の高いテーマについて、さくっと読める解説コラムを発行して…

ピックアップ記事

  1. 2024-4-12

    BCG支援のVC、Bキャピタル、気候変動プラットフォームのリードへ向け新たな幹部を発表

    4月8日、マルチステージのベンチャー投資会社であるBキャピタルは、気候変動投資プラットフォームの拡…
  2. 日本、IFRSベースのサステナビリティ報告基準案を公表

    2024-4-11

    SSBJ(サステナビリティ基準委員会)、IFRSベースのサステナビリティ報告基準案を公表

    4月3日、サステナビリティ基準委員会(SSBJ)は、IFRS財団の国際サステナビリティ基準委員会(…
  3. 2024-4-11

    ブラックロック、ESG政策を理由に1.3兆円の資産売却を決定したテキサス州を「無謀」とし、再考を促す

    3月21日、ブラックロックは、テキサス州教育委員会がエネルギー企業への「ボイコット」とESG投資慣…

アーカイブ

ページ上部へ戻る